1. HOME / 
  2. からだのお悩み / 
  3. アトピー性皮膚炎を発症する人・しない人の傾向は?

アトピー性皮膚炎を発症する人・しない人の傾向は?

かゆみの強い慢性の湿疹があらわれるアトピー性皮膚炎を大人になって発症するという人が増えているといいます。「昔は子どもの頃に発症し、自然治癒する程度のものでした。ですが、今は現代病のひとつといわれるほど、アトピー性皮膚炎を発症する人が増えましたね」と東京女子医科大学皮膚科教授・講座主任 川島 眞先生は言います。今回は大人のアトピー性皮膚炎について、増える理由、発症する人・しない人についての特徴を教えていただきました。

 

実は、アトピー性皮膚炎になりやすい人がいる!?

アトピー性皮膚炎今や現代病といわれるアトピー性皮膚炎の症状についておさらいしてみましょう。アトピー性皮膚炎とは、かゆみの強い慢性の湿疹があらわれる症状のこと。発症する部位は全身に及びますが、腕の内側、膝の裏など関節などにあらわれることが多いです。

最近では、「大人のアトピー性皮膚炎」という言葉が出てきたように、大人になってからかゆみや炎症などの症状があらわれる人が多くなっています。顔、首、デコルテなどを中心に赤みやかゆみをともなうことも。
アトピー性皮膚炎の原因は主に2つあります。

 

皮膚のバリア機能の低下

アトピー性皮膚炎スキンケアの大切さを語るうえで欠かすことができないのが「バリア機能」です。肌を潤いで満たし、外的要因からの刺激や炎症を防ぐ役割を担う機能。このバリア機能が低下すると、肌の中は乾燥し、ダメージを受け、重症化するとアトピー性皮膚炎を引き起こします。

とくに、空気が乾燥し、寒さも厳しくなると肌の乾燥が気になりますよね。室内の暖房を使用することが増え、外気のみならず室内も乾燥してきます。首や腕、膝から下や腰の肌がカサカサして潤いがなくなってくるのを感じる方も多いと思います。この肌の乾燥は、皮膚の表面にある角質層の水分が減少することが原因といわれています。

乾燥が引き起こす肌トラブルについて、もう少しお話しましょう。角質層には、その表面に毛穴から出てくる油分(皮脂)と水分が混ざってできる皮脂膜があり、水分の蒸発を防ぐう役目を担っています。また、アミノ酸や尿素などの天然保湿因子(NMF)が水分を抱え込んで蓄える機能も持っています。角質層の細胞間にはセラミドなどの脂質が存在し、これも水分を蓄える役割をしていますが、何らかの原因により、皮膚が乾燥し、かゆみをもたらし、引っ掻くことで湿疹に進行することがあります。乾燥や肌荒れも度を過ぎると、アトピー性皮膚炎を起こすということ、油断は禁物なのです。

 

遺伝性

アトピー性皮膚炎アトピー性の遺伝子というものは現在の医療では確定されておりません。ですが、多くの場合、アトピー素因(気管支喘息やアレルギー性喘息、鼻炎、結膜炎など)を持っている人に生じるケースが多いといわれています。アトピー素因の種類はさまざまで、たとえば、うるしやニッケルに触るとかゆみやかぶれが生じるというケースなどもそう。これらに含まれている特定の成分に対するアレルギー反応といえます。

親、兄弟など親族の中にアトピー性皮膚炎を発症している人、発症したことがある人がいる場合、アレルギー素因を持っている可能性が高くなります。ですから、大人になってからアトピー性皮膚炎になったという方は、アレルギー素因をもともと持っていて、大人になって発症したと見受けられます。

ですが、先ほどもお話したとおり、アトピー性皮膚炎は小児期に発症し、成人になるころには軽快するケースが多く、「治らない病気」ではなかったんです。もちろん、例外もありますが、今、「大人になっても症状が治まらない」「大人になってアトピー性皮膚炎になった」という人が急増しているのは、もっと別の原因があり、それが現代病と呼ばれる所以なのだと思います。

 

第3の原因、それは生活習慣にあった!

アトピー性皮膚炎アトピー性皮膚炎が現代病とも呼ばれる理由、それは私たちの生活習慣にも原因があるのです。たとえば、香辛料や刺激物の高い食事のほか、食べ物でじんましんや発疹があらわれたことのある人も、免疫力が低下すると皮膚炎になることもあります。また、お酒、たばこ、睡眠不足などの不規則な生活は、アトピーのアレルギー素因を暴走させる要因なのです。

それから、忘れてはならないのが「ストレス」。近年、ストレスとアトピー性皮膚炎の関係性は深いといわれ、しっかりと治療をおこなわないと、治るどころか悪化する傾向にあるといいます。アトピー性皮膚炎は「かゆみ」を生じること、それを「掻く」ことで症状が悪化するのですが、ストレスのある人は無意識に掻く行為をおこなっています。一時的なアトピー性皮膚炎の場合は、ストレスを溜めない、もしくはストレスと上手に付き合うことができれば、掻く行為が減り、症状を回復させることができるのです。

「アトピー性皮膚炎は難病」と思われがちですが、現代医学の進歩により、しっかりと対処すれば回復することが可能です。

次回は大人のアトピー性皮膚炎の対処法、予防策についてご紹介します。

 

 

(文・長谷川真弓)

川島 眞

この記事の監修

川島 眞(かわしま まこと)

東京女子医科大学 皮膚科学教室 教授・講座主任
東京大学医学部卒業。パリ市パスツール研究所に留学。東京大学医学部皮膚科講師などを経て東京女子医科大学 皮膚科学教室 教授・講座主任。アトピー性皮膚炎をはじめ、美容、皮膚ウイルス感染症、接触皮膚炎などを主に研究。東京女子医科大学は日本で最も外来患者数の多い病院として知られており、皮膚科にも1日150人以上の患者が訪れる。

関連記事

人気ランキング

あなたにおすすめの記事

この記事を読んだ人は、
こんな記事も読んでいます。

この記事の関連キーワード

この記事が気に入ったらシェアしよう!

CLOSE