1. HOME / 
  2. からだのお悩み / 
  3. 悪化すれば手術に至る!? 副鼻腔に膿がたまる、蓄膿症の治療法

悪化すれば手術に至る!? 副鼻腔に膿がたまる、蓄膿症の治療法

鼻づまりが治らないな…。
そう思いながらも、ただの風邪だからと放置している人はいませんか。黄色い鼻水が出た人は、その膿(うみ)が溜まって蓄膿症になっているかもしれません。
一度溜まった膿をキレイに取り出すのは大変で、重症になると手術に至るケースもあるようです。蓄膿症の正しい治療法には何があるのか、慶應義塾大学病院の耳鼻咽喉科・神崎晶先生に話をうかがいました。

 

ネバネバした黄色い鼻水が、黄色信号!

ネバネバした黄色い鼻水が、黄色信号!

風邪が長引くことでなりやすい蓄膿症。医学的な正式名称としては、鼻腔の横にある空洞に膿がたまることから「副鼻腔炎」といいます。では、ただの風邪とどう違うのか、副鼻腔炎かどうかを判断する基準には何があるのでしょうか。

「ネバネバした黄色い鼻水が出て鼻づまり感がある人、顔に重みを感じている人は、副鼻腔炎の可能性があります。その重みが原因で頭痛を訴える患者さんも多くいらっしゃいます。嗅覚が鈍くなるというのも、症状のひとつです。市販の薬で副鼻腔炎を治すことはできませんので、少しでも疑いを感じたら、耳鼻咽喉科を受診することをすすめます」(神崎先生)

放置は厳禁! 2割の患者さんは手術になる

放置は厳禁! 2割の患者さんは手術になる

では、副鼻腔炎にはどんな治療法があるのでしょうか。
「3カ月間、抗生剤を飲み続けることで、8割の患者さんは治るといわれています。処方する薬には、鼻のなかの炎症を抑え、繊毛細胞の働きを促進させる効果があります。副鼻腔内には、膿など汚いものを外に出す役割の繊毛細胞がありますが、副鼻腔炎になると粘膜の炎症によりその出口が小さくなり、繊毛細胞の負担は増えてしまいます。動きを活性化することで、膿を少しずつ外に出し、副鼻腔内をキレイにしてくれるのです」(神崎先生)

放置は厳禁! 2割の患者さんは手術になる

8割は薬で完治するといいますが、残り2割はどういうケースなのでしょう。実は、副鼻腔炎を長期間放置していた結果、手術によって膿を取り出し、膿の通り道を大きく広げなくてはいけない患者さんが2割ほどいるそうです。
「手術では、膿を取ると同時に、副鼻腔の出入り口の穴を広げて、今後膿がたまらないようにしていきます。膿があまりに長期間たまってしまうと、空洞の周りにある骨を壊して目の方まで進み、失明につながるリスクが高まります。
さらに、その先の骨を壊して脳まで膿が達することもあり、場所が場所だけに、非常に危険です。
数年前に実際に診察した患者さんは、目が腫れて見えないと言って救急車で運ばれてきたのですが、よく調べてみると副鼻腔炎が原因でした。その方は、鼻がつまっているけど体質なのだろうと思い込み、10年近くもの間、病院に行かずにいたそうです」(神崎先生)

副鼻腔炎は骨の奥にある炎症なので、見ただけではわかりません。そこで診察では、レントゲンやCTで検査し、副鼻腔内の状態を確認するそうです。粘膜がポリープになっていて、副鼻腔の出入り口がそのポリープでつまっている場合は、手術に至るケースが多いそうです。ぜんそくに伴う副鼻腔炎も、ポリープができやすいといわれており注意が必要です。

尚、手術となった場合、費用はどれくらいかかるものなのでしょうか。副鼻腔の両側を全身麻酔で手術し前後1週間入院した場合で神崎先生に聞くと、「約35万円かかります」と、驚きの高額が返ってきました。国からの補助によって十数万円以上は払わなくていいそうで、実際は十数万円になるようですが、それでも、なかなかの出費に。鼻がずっとつまっているなど、自覚症状がある人は、早めの診察が大切です。

鼻の横の「副鼻腔」に膿が溜まる

治療には抗生剤と手術以外に治療法はなく、市販薬での完治は難しいといわれています。
ただ、アレルギー性鼻炎による副鼻腔炎の方は、アレルギー原因を軽減する食生活を送ることで、間接的にいい影響があるでしょう。
アレルギー原因を特定するためには、血液検査が必要ですので、まずは病院で相談してみてはいかがでしょうか。

 

 

前の記事:膿が溜まって顔が重くなる!? 蓄膿症になる原因とは

神崎 晶

この記事の監修

神崎 晶(かんざき・しょう)

慶応義塾大学医学部耳鼻嗚咽科専任講師、医学博士
日本耳鼻咽喉科専門医、アレルギー学会専門医、補聴器適合判定医、補聴器相談医、騒音難聴認定医、めまい相談医。日本耳鼻咽喉科学会、日本耳科学会、日本聴覚医学会、アレルギー学会など多数の学会に所属。2013年、1st Global Otology Research Forum(GLORF)Award(第1回グローバル耳科研究フォーラム賞)、平成26年度日本医学会医学研究奨励賞、財団法人長寿科学振興財団 会長賞(平成19年度) など受賞歴あり。

関連記事

人気ランキング

あなたにおすすめの記事

この記事を読んだ人は、
こんな記事も読んでいます。

この記事の関連キーワード

この記事が気に入ったらシェアしよう!

CLOSE