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新生活の春。五月病にならないために必要な最新キーワード『レジリエンス』とは?

新入学や新社会人、春は新しい出会いが多い季節。また、人事異動や転勤、新プロジェクト開始といった新しいチャレンジや環境替えなども多くなるこの時期。実は、こういった春の変化は想像以上に心にストレスを与えるといわれています。

ストレスを数値化して表記する『社会的再適応評価尺度』によると、入学・卒業や環境の変化という項目は、上司とのトラブルより高い数値を示しています。さらに、転職となると、夫婦げんかや親友の死といった項目よりもストレス指数は高くなります。“今までとはまったく違う環境に順応していく”のは、体にも心にも大きな負担になることが多いわけです。

また、新社会人や新入生が5月頃に体調を崩したり、憂鬱になったりする「五月病」。これは正式には医学用語ではありませんが、春からの新しい生活に頑張った人ほど、五月病になりやすいともいわれているのです。

ただし、皆が五月病になるわけではありません。同じ環境で同じような仕事をしていても、ストレスを溜めずにやり過ごせる人と打撃を真正面から受けてしまう人がいます。心の医療の世界では、この差についての研究が進んでいます。

 

日本でも注目されている「レジリエンス」

今までストレスについての考え方というと、「ストレスがない毎日を送ろう!」「ストレスがない生活をしよう」というように、ストレス自体をできるだけ感じないような生活を目指そう、という考え方が中心でした。でも、今の世の中、ストレスがない生活をするのは至難の業。通勤には満員電車に乗らなければいけないし、会社でもさまざまなトラブルも発生します。しかも、適度なストレスは脳への刺激にもなるので、まったくない社会がいいともいい切れないのです。

では、どうストレスとつき合っていったらいいのでしょうか?
そこで注目したいのが“Resilience(レジリエンス)”という考え方です。もともと1970年代から心理学の分野で研究が始まりました。第二次世界大戦で、ナチスドイツの強制収容所で、壮絶な経験をした人たちを追跡した結果、長年大きなトラウマを抱えてしまう人と逆境を乗り越えて前向きに生きる人たちの2タイプがいることがわかったのです。

その差は、起きていることに対する柔軟性。
心を木に例えるとわかりやすいという専門家もいます。柔軟性がない木は大雪や大風が吹くとポキッと折れてしまいます。ですが、竹は折れそうになってもしなやかに元の形に戻っていきます。この竹のようなしなやかな対応力をレジリエンスと呼ぶのです。
日本では、東日本大震災の後に、このレジリエンスという考え方の重要性を注目するようになりました。

 

ストレスと上手に付き合う方法って?

竹のような心が大事といわれても、「どうしたらいいかわからない」という人も多いはず。では、簡単にレジリエンスの考え方をご紹介しましょう。
ポイントは大きく3つ。

 

自分の世界をいろいろ持つこと

柱の数が少ない家は小さな衝撃ですぐに倒れてしまいますが、柱の数が多いと安定感が出てきます。人の心も同じように、会社だけの自分しかないと、そこで何かあったときに衝撃が大きくなります。
たとえば、趣味の世界を持っていたり、他に得意な分野があったり、大好きな人たちと過ごす時間を持っていたりと、自分を取り巻く世界が多いほど、ストレスに上手に対応できるようになるといわれています。

 

自分の足できちんと立てるマインドを持っていること

・上司がいないと仕事ができない
・彼や夫がいないと何も決められない
・友達がいないと不安
・親が何でも決めてくれる

という依存型の生活。一見、ラクで安心感があるけれど、その関係性にトラブルが生じると一気に倒れてしまうというデメリットも。関係が切れたとしても自分の足で立てる心を持っておくことが大事。

 

心の声を聞く習慣をしっかり持つ

本来人間は、危険を察知してそれを避けたり、対応するために心の準備をおこなったりします。でも、忙しい現代社会ではその能力を生かせなかったり、低下している人が多いようです。週に1度、短時間でもいいので、自分の心を観察する時間を持ちましょう。
このときは、スマホやテレビなど外からの刺激を断って、「今、心の状態は元気なのか?」 「困っていることはないか」を客観的に冷静に観察してみましょう。常にスマホ画面ばかり見ている毎日だと、自分の心に触れる機会がありません。ちょっと画面から目を離して、心の状態を知ることで、少しペースダウンしようとか、疲れ溜まってきたからひとりでのんびり過ごそうといったストレスに対応する方法も見えてきます。

ストレスは溜まり切ってから対応するのではなく、上手につきあって対応していくことが大切。そのためにも“レジリエンス”というキーワードにぜひ注目してみてください。

(文・伊藤まなび)

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