1. HOME / 
  2. からだのお悩み / 
  3. 運動会で転ばずかっこよく走るトレーニング法は?

運動会で転ばずかっこよく走るトレーニング法は?

1.症状

運動会や日常生活での全力疾走は転倒やケガに注意!

春と秋は運動会シーズン。子どもが通っている学校の運動会や町内会が主催するスポーツ大会などに参加する人もいるのではないでしょうか。そんなとき、「家族にいいところを見せよう」と張り切ったものの、思ったように体が動かずにつまずいたり、転んでしまったりして恥をかいた……。そんな経験をする人が少なくないようです。

日常生活においても、電車に乗り遅れないように階段をダッシュで走る、赤信号直前にあわてて横断歩道を渡るといった場面で転倒しそうになる、もしくは実際に転倒してしまったことがある人も多いはず。

普段、運動していない人が急に走るのはケガのもと。十分に気をつけましょう。

 

2.原因

筋肉の衰えのほか、神経系統の衰えやかかとだけの着地も原因に

昔は何の問題もなくダッシュできていたのに、大人になってから急に全力疾走するとバランスを崩したり、転んでしまったりするのはなぜでしょうか?

その理由は筋肉の衰えと神経系統の衰えにあります。

 

理由その1・筋肉の衰え

走るときに重要な筋肉の1つに「腸腰筋」というインナーマッスルがあります。腸腰筋は姿勢をキープする、脚を前に持ち上げるといった動作で使われる筋肉。ここが加齢や運動不足に伴い衰えると、走ったときに体がぐらついてしまい、脚が十分に上がらないのでつまずきやすくなります。

 

理由その2・神経系統の衰え

脚を素早く交互に持ち上げる・後ろに蹴り出すといった一連の動作に必要な神経系統は、使わなければその分、衰えていきます。普段、走っていない人が急に走ると脚がもつれたりするのはこのためです。

このほか、走るときのフォームや着地の仕方が間違っている可能性もあります。

走るときは、かかとではなく前足部(足の裏の指のつけ根部分)を意識して着地するのが基本。かかとばかりで着地すると重心が後ろになり速く走れません。また、かかとだけを使っていると衝撃がひざにかかり、ひざを痛めることがあります。蹴り出すときに前足部が十分に使えていることを意識しましょう。

 

3.放っておくと…

アキレス腱断裂やロコモティブシンドロームの恐れあり

走るとバランスを崩す、転倒する。こういった状態に対して何もケアをせずにいると、転んでひざをすりむく程度ではすまずに、捻挫や肉離れ、アキレス腱断裂などの大けがをしてしまうことも・・・・・・。これではせっかくの運動会も台無しです。

また、足の筋肉や神経系統の働きが低下すれば、当然、将来、歩行にも支障がでます。そして、早い段階でロコモティブシンドローム(略称ロコモ)になってしまう可能性も……。ロコモとは、加齢や生活習慣が原因で足腰の筋肉、骨、関節等が衰え、寝たきり状態や介護が必要になるリスクが高い状態のこと。「メタボ」と並ぶ国民病として注目を集めています。何歳になっても自分の足で歩けるように、運動会を機に自分の体を見つめ直し、足腰を鍛えるようにしましょう。

 

4.対策

走れる体づくりが転倒防止のカギ。当日は食べすぎない、飲酒しないことも大切です。運動会への参加が決まったら、次のトレーニングに取り組みましょう。

 

<ストレッチ>

アキレス腱伸ばし

背筋を伸ばして立った状態から片脚を前に出します。そのまま後ろ足のかかとを地面に降ろし、後ろの脚のアキレス腱を伸ばします。

 

股関節前面伸ばし

アキレス腱伸ばしと同じ体勢になり、体重を前にかけるのと同時に後ろの脚のひざを床につくぐらいまで下げます。この際、後ろ脚の太もも前面が伸びていることを意識しましょう。

 

<筋トレ>

その場でもも上げ

その場で太ももを交互に素早く上げます。まずは10回くらいからスタートして、慣れてきたら回数を増やすといいでしょう。腸腰筋をはじめとする走る際に必要な筋肉と神経系統を同時に鍛えられます。

 

ランジ

①脚を肩幅程度に開く。手は腰に軽く添える。(右イラストの左)

②片脚を前に出す。

③腰を床に対してほぼ垂直に下ろす。後ろの脚の膝は曲げる。このとき、前に出した脚のももと床が平行になるぐらいまで下ろすのが理想。(右イラストの右)

④②の姿勢に戻る

①~④を1セットとし、左右各5セットぐらいからスタートしましょう。③のときに、膝が内側に入らないこと、膝が足よりも前に出過ぎないことを意識してください。ランジをやって体がぐらぐらしたり、ひざが内側に向いてしまう人は足腰の筋肉がかなり衰えている可能性大。がんばりましょう!

 

<そのほか>

スタートの練習

体重を少し前にかけた状態からダッシュする練習をしておくと、スタート時に転びにくくなります。また、前足部を使う練習にもなります。

 

軸がぶれないよう心がける

歩くときに体が左右にぶれないように心がけておくと、走ったときにバランスを崩したり、転倒したりするリスクが低くなります。

 

<理想的なランニングフォームのポイント>

・あごをひく

・上体はやや前傾に

・体重は左右にぶれないように意識して

・脚は股関節から動かして

・足先を使うことを忘れずに

 

<運動会当日の注意点>

・朝食は消化がよく、なおかつエネルギー源になる炭水化物を食べておきましょう。

・出番が午後の場合はお弁当の食べ過ぎに要注意。アルコールも控えましょう。

・体を冷やさないようにし、出番の前にはウォーミングアップで体を温めておきましょう。

・アキレス腱伸ばし、大腿四頭筋伸ばしをしておきましょう。

・「昔は足が速かったから大丈夫」と自分の走力を過信するのは禁物です。優先すべきはケガをしないこと。“昔取った杵柄”は忘れて、無理はしないようにしましょう。

 

 

中村 格子

中村 格子(なかむら かくこ)

整形外科医師 医学博士・スポーツドクター 国立スポーツ科学センターメディカルセンター研究員 横浜市立大学整形外科客員教授 「健康であることは美しい」をモットーに指導するエクササイズが人気を博し、テレビ、雑誌などで幅広く活躍。2012年にベストセラーとなった『実はスゴイ! 大人のラジオ体操』のほか『整形外科医がずっと教えたかった 医者いらずの体の整え方』(ともに講談社)など著書多数。

関連記事

人気ランキング

あなたにおすすめの記事

この記事を読んだ人は、
こんな記事も読んでいます。

この記事の関連キーワード

この記事が気に入ったらシェアしよう!

CLOSE