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ある日突然聞こえなくなる! 突発性難聴ってどんな症状なの?

 

朝目覚めたら、片方の耳が聞こえなくなっている――。

何の前触れもなくなることも少なくない突発性難聴。慶應義塾大学の神崎晶先生に、突発性難聴とはどんな病気なのか、話をうかがいました。

 

 

年齢を問わず、誰にでも起こりうる突発性難聴

年齢を問わず、誰にでも起こりうる突発性難聴

突発性難聴は、その症名の通り「突然起こる難聴」のことです。多くの場合は片耳に、ある日突然聞こえなくなるという難聴の症状が出るそうです。

「難聴の代表的なものは、高齢者の4人に一人がなる老人性難聴で、加齢とともにゆるやかに進行します。それに対し、突発性難聴は若い人にも起こる原因不明の病気です。約3日かけて進行し、主な症状は片耳の難聴。耳鳴り、めまいが生じる場合もあります。前触れもなく朝起きたら聞こえなくなっていた、と焦って来院される患者様が多いですが、前日に耳鳴りや音の聞こえにくさを感じていたというケースもあります」(神崎先生)

齢を問わず、誰にでも起こりうる突発性難聴

原因にはさまざまな説があるそうですが、現在のところ、明確な因果関係を示すものはわかっていないといいます。ストレスや疲れが原因という声はよく聞かれますが、その関係性も曖昧です。
「原因として言われているのは、耳に通じる細い血管の流れが悪くなることと、ウイルスの感染によるものです。

ただ、突発性難聴になった耳を取り出して検査することができないため、いまだはっきりした原因はわかっていません。

 

なぜ耳への細い血流だけが悪くなってしまうかの研究にも、答えは出ていないのです。そもそも“耳が聞こえる”とはどういうことかと言いますと、何らかの音が発生すると、振動が鼓膜を震わせ耳の中へと伝わっていきます。
そしてリンパ液を震わせて、毛の生えた細胞(有毛細胞)を刺激します。この有毛細胞が、音を電気信号に変えることで大脳が信号を解析し、私たちは音を認識することができます。
しかし、突発性難聴になると、有毛細胞が働かなくなり、細胞は再生しなくなってしまいます。なぜこの細胞が機能しなくなるのかの理由が、はっきりしていません」(神崎先生)

齢を問わず、誰にでも起こりうる突発性難聴

ただ、突発性難聴になった人は10年後に脳梗塞になる割合が多いという論文が、台湾の研究者により発表されており、血流が何らかの原因につながっているとはいえそうです。
「ストレスや過労が原因なのでは? という疑問についても、強いストレスがかかったタイミングと突発性難聴になったタイミングに明確な関係性があるとは、なかなか言えません。

『徹夜で仕事をしていた』『かなり疲れがたまっていた』という患者様は少なくありませんが、現代社会を生きる皆さんは、常に忙しくて常に疲れていますので、医学的に証明することができていないのが現状です」(神崎先生)

難聴を引き起こすさまざまな要因

難聴を引き起こすさまざまな要因

飛行機に乗ったら耳が聞こえなくなった、風邪を引いて耳が聞こえなくなったなど、さまざまな原因によって難聴になることはあります。

ただ、原因がはっきりしているものについては、それぞれ症名がついているため、原因不明の難聴を示す「突発性難聴」とは違うものだといいます。
「飛行機に乗ると、上空と地上の圧の差に耳の膜が破れてしまうことがあります。膜が破れると内耳のなかのリンパ液が外に漏れてしまうため、音を伝える“水”がなくなり耳が聞こえなくなります。

 

これを外リンパ漏といいます。
ほかに、風邪のウイルスによるウイルス性の内耳炎症や、ヘルペスで耳に水泡ができることで難聴になるケースもあります。さらに、コンサートやライブなどで非常に大きな音を聞いたために耳が聞こえなくなるケースもあります。これは音響外傷といって、耳の鼓膜に炎症が起きるものを指します。突発性難聴ではないものの、“突然起こる難聴”であることに変わりませんので、聞こえ方に違和感を覚えたら、すぐに病院に行くことをおすすめします」(神崎先生)

では、突発性難聴にはどのような治療法があるのでしょうか。次の記事では、治療法について紹介していきます。

次の記事:3人に1人は聴力が回復しない!? 突発性難聴の正しい治療法

神崎 晶

この記事の監修

神崎 晶(かんざき・しょう)

慶応義塾大学医学部耳鼻嗚咽科専任講師、医学博士
日本耳鼻咽喉科専門医、アレルギー学会専門医、補聴器適合判定医、補聴器相談医、騒音難聴認定医、めまい相談医。日本耳鼻咽喉科学会、日本耳科学会、日本聴覚医学会、アレルギー学会など多数の学会に所属。2013年、1st Global Otology Research Forum(GLORF)Award(第1回グローバル耳科研究フォーラム賞)、平成26年度日本医学会医学研究奨励賞、財団法人長寿科学振興財団 会長賞(平成19年度) など受賞歴あり。

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