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男性ホルモンを増やすには眠りが大切!今日から出来る睡眠改善方法

男性ホルモンを増やすには眠りが大切!今日から出来る睡眠改善方法

小山 太郎

Dクリニック新宿 院長

小山 太郎(こやま たろう)

11月のテーマ 男も女も大事な「ホルモン力強化」

【RESERCH】(検証内容)
知らないとヤバイ!? 睡眠と男性ホルモンの深~い関係

今回は、男性の活力の源「男性ホルモン」のレベルアップと「睡眠」との関係性&対策を、レポートします。
男性ホルモンの専門家は、男性ホルモン(テストステロン)を下げてしまう要因として、「ストレス」や「睡眠不足」を挙げています。
しかし実際は……
「最近、あんまし寝てないんだよね」とか
「今日エナジー系ドリンク3本だよ〜」とか
〝寝ていない自慢〟になりがちなのでは?
多くの男性は、睡眠時間が足りてないことに問題を感じながらも、忙しい毎日から、「みんなも同じだから仕方ない」、「まぁ、こうやって眠くても日々乗り切れているから……」、「人よりタフだからどうにかなるでしょ」と、受け流している人が多いようです。
でも、睡眠時間が不足するとテストステロンレベルを低下させてしまうので要注意。また、ストレスを感じたときにも、精巣からのテストステロン分泌が妨げられてしまうことがわかっています。

ということで、まず睡眠のメリットについて改めて確認しておきましょう。

ホルモンとは

ホルモンとは

私たちの体には、100種類ほどのホルモンがあると言われていますが、この中の種類の一つが性ホルモンです。
世間一般には、ホルモンというと、男性らしさを作る男性ホルモンや、女性らしくあるための女性ホルモンなど、性的な魅力と関連のある性ホルモンのことをさします。または、アトピーのように皮膚の弱い方は、軟膏のステロイドホルモンを想像されたりします。

実はホルモンとはこれら以外にも喉の近くの甲状腺や、腰のあたりの副腎などから性ホルモン以外のホルモンが分泌されています。

また面白いことに、ホルモンの量を調べるときはピコグラム(1兆分の1グラム)やナノグラム(10億分の1グラム)、といったとても小さな単位を使います。わずかな量でもホルモンは体調を左右し、体になにかしらの影響を与えるのです。

<ホルモンを作ったり、分泌する場所>

性ホルモンや副腎皮質ホルモンなど生成する臓器やまたそのホルモンをつくるように指令する臓器があります。

・精巣
・卵巣
・視床下部
・下垂体
・甲状腺
・副甲状腺
・副腎
・膵臓

<性ホルモン>

ホルモンとは主に男性は精巣で、女性は卵巣で作られます。
・男性ホルモン(テストステロンやジヒドロテストステロンなど)
・女性ホルモン(エストロゲンやプロゲステロンなど)

<脳から出るホルモン>

脳下垂体は多くのホルモンをコントロールする司令塔です。
・性腺を刺激するホルモン
・成長ホルモン
・副腎・甲状腺・腎臓・メラニン細胞などを刺激するホルモン

<性ホルモン以外の有名ホルモン>
・甲状腺ホルモン:アドレナリンの調整など
・パラソルモン:骨の調整など
・インスリン:血糖値の調整など
・レニン:血圧の調整など
・エリスロポエチン:赤血球の調整
・糖質コルチコイド:アレルギーの調整など

男性ホルモンとは


男性ホルモンのことを総称してアンドロゲンといいます。アンドロゲンの『アンドロ』とは、そもそも男性という意味です。具体的にはテストステロン、ジヒドロテストステロン、デヒドロエピアンドロステロン(DHEA)、アンドロステンジオン、アンドロステロンなどがあります。

<女性の男性ホルモン>


女性にも男性ホルモンはあり、男性のおよそ20分の1程度の量と言われています。

<男性ホルモンの働き>


男性はこのホルモンを第二次性徴における生殖器の発達や声変わり、濃く太い体毛、たくましい筋肉を作る、男性器の成長などに用いて男性らしい体つきを作ります。だいたい30歳をピークに減っていきますが、女性のように劇的なホルモン量の変化はないことも特徴です。
男性ホルモンは、上記のような働きだけではなく、前立腺肥大、前立腺がん、ニキビ、男性型脱毛症にも関わってきます。

<男性ホルモンのある場所>


95%が精巣、5%が副腎にあると言われています。

<男性ホルモンの分泌量>


1日にして100分の1グラム程度しか、分泌されていないと言われています。

男性ホルモンのでき方

男性ホルモンの原料はコレステロールです。コレステロールと聞くと、動脈硬化や心筋梗塞などをイメージする方が多いかもしれませんが、実は大切なホルモンの原料となっています。男性ホルモンの工場となるのが精巣です。 脳の中にある下垂体から『性腺刺激ホルモン』が分泌され、血中に乗り『精巣』に届くと、精巣にあるライディッヒ細胞を刺激して『男性ホルモン』が作られます。精巣以外に、一部の男性ホルモンは副腎でも作られていますが、こちらには下垂体から分泌される副腎皮質刺激ホルモンが関与しています。

<男性ホルモンのテストステロンについて知ろう>

男性ホルモンは複数存在しますが、特に重要な役割を担う男性ホルモンが「テストステロン」です。テストステロンはほとんどが精巣で作られていて、いわゆる「男性らしい体つきや思考力」の形成に大きく影響を及ぼします。

<テストステロンの作用(1)逞しい体つきと運動能力向上>

テストステロンのもつタンパク質同化作用が筋肉量を増加させ筋肥大を導きます。テストステロンには造血作用もあり血液中の酸素運搬にも寄与しています。

<テストステロンの作用(2)性欲や性的な魅力を作る>

テストステロンの代謝産物はアポクリン腺から分泌され、異性をひきつけるフェロモンとして機能します。男性の性欲、性的衝動にもテストステロンが作用しています。男性の性欲減退や、勃起不全(ED)には、加齢に伴うテストステロンの減少が密接に関わっています。

<テストステロンの作用(3)やる気・元気の源になる>

テストステロンは、男性的な考え方や性格を形成する上で大きな役割を果たす男性ホルモンです。合わせて、テストステロンは、やる気、社交性、社会を思う公共心、公正さにも関与しています。テストステロンは社会で活躍していくのに大切なホルモンであるとともに、その低下は、疲労感、うつ症状などの要因にもなりえます。

男性ホルモンが減ると……


筋力の低下や精力の減退以外にも様々な症状があらわれます。


☑︎筋力の低下(サルコペニア)
☑︎記憶力の低下
☑︎集中力の低下
☑︎朝の勃起がなくなる
☑︎うつ
☑︎イライラ
☑︎倦怠感
☑︎肥満
☑︎不眠症状
☑︎骨粗鬆症

40歳以降の男性で、これらが多く当てはまる場合、男性ホルモンの減少による男性更年期(LOH症候群)をうたがってみることも大切です。うつ病とも間違われてしまうような症状が多く、また、実際にうつ病の薬をのまれている方もいます。重度の男性ホルモン減少の場合、病院にて、男性ホルモン補充療法がおこなわれます。

女性の場合は女性ホルモンの減少で、骨粗鬆症になったり、血糖値、血圧が高くなることがあるためにお薬で治療する必要が出てきます。女性ホルモンを増やす治療や女性ホルモン自体を補充するホルモン補充療法が行われる場合もあります。

男性ホルモンを減らす原因


男性ホルモンは、ご存知のとおり加齢以外に食習慣、ストレス、睡眠に大きく左右されます。
見習うべき習慣は野球選手などのプロスポーツ選手と言われています。このようなプロ選手には、男性不妊が少ないとも言われています。規則正しい起床に、野菜たっぷりでバランスのとれた食生活、定期的な運動、ストレスの少ない生活。これらはまさに理想的です。この反対のことをしていればもちろん男性ホルモンは減少してしまいます。

・不規則な睡眠時間
・短い睡眠時間
・浅い睡眠
・中途覚醒の多い睡眠
・加齢
・ストレス
・タバコ
・バランスの悪い食事
・野菜不足

男性ホルモンを増やすには

<1番は良質な睡眠!>


今日からすぐに改善できる、睡眠の改善が、一番基本的で一番重要です。
十分で深い睡眠、ノンレム睡眠は成長ホルモンを分泌させ、一日頑張った身体のメンテナンスをしてくれます。成長ホルモンは子供だけに分泌されるものではありません。実は大人も夜間に分泌されているのです。
この成長ホルモンがしっかり分泌されると、精神的・肉体的な健康が得られ、正常な男性ホルモンの分泌、精子の製造につながるのです。浅い睡眠や短い睡眠ではなかなか十分なノンレム睡眠が得られませんので、成長ホルモンも出にくく、そして男性ホルモンも出来にくい体になってしまいます。

<亜鉛の摂取>


亜鉛は有効と考えられます。
亜鉛を飲んだときのテストステロンの増加に関する実験結果では、亜鉛を抜いた食事ではテストステロンは減少しており、かつ精子の数も減っていました。
ただし亜鉛は金属です。飲み過ぎるとほかに必要な銅や鉄の吸収が悪くなりますので、必要量を守りましょう。これらの金属はからだには少量でいいことから、必須微量元素(ひっすびりょうげんそ)と呼ばれています。

<病院で増やす>


病院では『男性ホルモン補充療法』という筋肉注射を行います。筋肉注射はやや痛いのですが、直接ホルモンを補充できる点、医師による診断と医療用医薬品を使用できる点から大変安心して施術を受けることができますのでおすすめです。ただし前立腺肥大や前立腺がんがある方は、ホルモン補充療法ができない場合がありますので医師と相談しましょう。

<サプリで増やす>


最近注目されているのがDHEA(デヒドロエピアンドロステロン)というサプリメントです。日本においては医師の管理もとのみ、使用することができます。あるいは個人輸入という形で入手可能です。DHEAとは男性ホルモンのもととなる原料で、人間の中にある原料と全く同じものです。また、DHEAは女性ホルモンの原料でもありますので、女性でも使用ができます。

<漢方で増やす>


漢方薬では古来より、男性力増強に高麗人参やオットセイなどの生殖器が含まれているものを使用します。
補中益気湯(ほちゅうえっきとう)、海馬補腎丸(かいばほじんがん)などが一般的に使用されています。補中益気湯は、全てが植物性の生薬で構成されています。病院でもドラッグストアでも購入できます。海馬補腎丸は漢方専門薬局で買うことができます。この漢方薬には、高麗人参などの植物だけではなく、東洋医学では有名な精力剤であるタツノオトシゴ(海馬)やオットセイの生殖器なども含まれています。

質の良い睡眠のメリット6つ


■記憶力アップ
■免疫力を高めるー活性酸素を抑え、NK細胞(※1)を増やす。
■テストステロン、成長ホルモンが増える
■疲労を回復し、ストレスを軽減する
■太りにくい体質にし、肌をキレイにする
■内臓を休めることで、血流がふえる
など。ストレスを避けるためにも、睡眠を軽視してはいけません。
※1:NK細胞=がん細胞やウイルス感染細胞などをやっつける免疫細胞のこと

<【LET’S TRY】(即実践のコツ)>

今日からすぐにできるホルモン強化の睡眠術

即実践01  夜に7時間続けて眠る


人間が長寿でいられる睡眠時間は7時間。それ時間以上でも、それ以下でも死亡リスクが高くなることが、これまでの研究でわかっています。では、昼寝や仮眠も睡眠時間としてOKかというと、理想はあくまで夜に7時間続けて眠ること。
断片的な睡眠は、テストステロンの分泌量を著しく阻害することが知られています。
睡眠は、量や質も意識してくださいね。

即実践02  睡眠時間や睡眠リズムをアプリで「見える化」

最近はスマートフォンで睡眠管理ができるアプリも出ています。アプリを起動させたままスマホを枕元に置いて、眠るだけ。日々の睡眠時間や睡眠リズムの〝見える化〟によって、自分の体調と睡眠の関係が把握しやすくなります。
「俺は寝なくても大丈夫な人間なんだ!」と言い切るビジネスマンの方も多いと思いますが、やはり睡眠の質が低下すれば仕事の効率は落ちているはず。思い込みは一度捨てて、よく寝た日の気持ちよさや集中力の高さを実感してみてください。
こちらの記事でオススメのアプリの紹介などをしています。
また、アプリを使って、『生活習慣診断』の「睡眠サイクルチェック」で自分の睡眠の質を確認してみましょう。

即実践03 寝室でスマホを使わない

即実践03 寝室でスマホを使わない

最近、「ブルーライト」を浴びすぎる危険性が指摘されていますが、どういうことでしょう?
ブルーライトとは、目に見える可視光線の中で、最もエネルギーが強く網膜まで到達する青色光。昼間の太陽光のほか、LEDや液晶をバックライトにしたスマホやパソコンからも発生します。
こちらの記事でもブルーライトの別の問題についてアップしているのでクリックしてみてください。
睡眠の面では、またちょっとメカニズムが違います。
私たちの体というのは、昼間に日光を十分浴びると、夜にぐっすり眠れるというしくみになっています。ただし、就寝前にスマホやパソコンを使うような生活では、ブルーライトによって体や意識が覚醒してしまうので、体内リズムの乱れや不眠、睡眠の質の低下につながりやすくなります。
睡眠の質を上げる方法はパソコンやスマホを見る時間帯に気をつけることと、長時間見すぎない工夫をすることです。

ライターは長時間パソコンに向かいます。私の場合はさらに、スマホ&タブレットも常時使用という生活。念のため、ブルーライトカットのメガネを愛用し、スマホ&タブレットには、ブルー ライトカット液晶保護フィルムをつけています。

質のいい睡眠をとるには、夜9時ぐらいから部屋を暗くして過ごすといいそう。
また、いまNYのセレブの間では、「スマホ断ち」が流行中だとか。
これからデキるオトコは、睡眠アプリの利用以外は「寝室でスマホは利用しない」が新ルールになるかもしれませんね。

眠れないときは

分かってはいるけれど、どうしても眠れない。寝るギリギリまでパソコン仕事がある、仕事や家庭のことが頭から離れずに眠れない。このようなときは悩み続けても仕方ありません。具体的な方法を試して、自分にあったものを見つけましょう。

<お風呂につかる>


お風呂ではもちろん体温があがります。大切なポイントはそのあとです。お風呂上がりは汗をかき、そして体温が少し下がります。眠りにつく時にはこの体温が下がることが大切なのです。赤ちゃんもお昼寝の前にうっすらと汗をかいて体温を下げて眠りにつきますね。

<ラベンダーの香りをかぐ>


西洋ではわりとポピュラーな精油の一つです。
ラベンダーには筋弛緩作用という筋肉の緊張をほぐす働きがあります。枕元に乾燥ラベンダーを置くもよし、アロマディフューザーを使用するもよし、ラベンダーのお茶を飲むもよし。
反対に、会社ではあまりこのアロマは適さないと言われています。それはお昼寝をしてしまうからです。

<睡眠薬を試してみる>


病院ではたくさんの種類の睡眠薬があります。かつては依存性や耐性が問題になりましたが、現在ではそのような副作用の弱いものもたくさんあります。出張などが多く、規則的な睡眠が取れないサラリーマンの方も多く使用しています。寝つきが悪い人用、夜中に目が覚めてしまう人用、朝までぐっすり眠りたい人用、と、薬も種類がたくさんあります。

<グリシン入りのサプリメントを試してみる>


近年注目されている成分、グリシンはとても自然な眠りに導いてくれる成分としてサプリメント界で脚光を浴びています。なんといってもその成分がただのアミノ酸であることも安心して使用できる証拠ですね。眠るためのサプリというと、なんだか漠然と怖いイメージがありますが、このグリシンなら食事の延長として摂取することができます。

<漢方薬を試してみる>

<漢方薬を試してみる>
酸棗仁湯(さんそうにんとう)は一番有名な不眠用の漢方薬です。味も癖がなく飲みやすいです。
抑肝散(よくかんさん)や加味逍遥散(かみしょうようさん)は色々なことを考え、ややイライラしやすい方の不眠にいいですね。後者はやや女性向きです。

まとめ

毎日の大切な習慣、睡眠。自分はしっかり眠れている!そう感じている方こそ見直して欲しい習慣です。若々しく良い男性ホルモンを分泌するためにも、これらを参考にいい睡眠を身につけてくださいね!

及川夕子

 

 

 

文/フリーライター・エディター 及川夕子

【プロフィール】

女性誌、健康・美容雑誌、新聞などを中心に、取材・執筆、広告コピー作成などを手掛ける。近年は、メノポーズカウンセラー、健康食品コーディネーター、オーガニックアドバイザーの資格を生かし、医療方面の取材・執筆も多数。女性ホルモンや女性特有の病気、不妊治療などのテーマを軸に執筆活動を続けている。

 

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小山 太郎

この記事の監修

Dクリニック新宿 院長

医学博士/日本抗加齢医学会専門医

小山 太郎(こやま たろう)

2001年 3月 慶應義塾大学 医学部 卒業
2001年 5月 慶應義塾大学病院 入職
2007年 3月 慶應義塾大学 大学院 博士課程 修了
2007年 9月 Brigham and Women's Hospital 入職
2009年10月 Dクリニック東京(旧 城西クリニック) 入職
2021年 6月 Dクリニック新宿 院長就任

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