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実は冬より事態は深刻!? 「夏の冷え症」その傾向と対策

年々、猛暑日・酷暑日が増えている日本の夏。
屋外の気温は高いものの、冷房の中に一日中いることも少なくないのが現代人。暑い屋外から涼しい室内や乗り物という温度差の激しい場所への出入りが堪えるという方も少なくありません。そんな状況で、耳にするのが「夏の冷え症」。寒い冬に感じる冷えと、暑い夏に感じる冷えはどのように違うのか、からだにはどのような影響を及ぼすのか、対処法はあるのか、循環器の専門医であるウィメンズヘルスクリニック東京の知久正明先生に教えていただきました。

 

夏冷えのことはそれほど。。。

夏の冷え性

「夏冷え」とよく耳にしますが、実際にはあまり知られていません。
まずは「冷え症」という言葉の意味から確認をしましょう。「冷え症」とは病名ではなく、手足の血行が悪くなっておきるからだの状態を表現する言葉です。「私は冷え症」と自覚するのには、次の2タイプがあげられます。

A)手足の温度が実際に低くなっているタイプ。
B)手足は暖かいけど、寒いところに入ったときに寒いと感じるタイプ。

Bは「冷え症」というより「寒がり」なのに対し、Aは体調不良につながりやすい「冷え症」。
でも、手足の温度が低いかどうかは自分では分かりにくく、他人と比べようにも個人差があるので簡単に比較できません。

冷え性には手足が冷たくなるタイプと下半身だけ冷えるタイプにもわかれますが、前者はセルフチェックとして簡単な方法があります。それは、耳たぶに触れること。

「自分の耳たぶを触って『冷たく』感じるなら大丈夫です。もし耳たぶを『温かい』と感じるなら、手足優位型の『冷え症』の可能性があります」。

なぜなら、耳たぶはからだのなかで比較的温度が低いところなので、耳たぶを触って温かく感じるのは手先が冷たくなっているからです。さらに、手の先が真っ白くなっていると本当の病気になっているかもしれません。

 

内臓まで冷えたら免疫力が大幅ダウン

夏の冷え性

「寒いところに行くと鳥肌が立つことがありますが、これは、からだが冷えると体温を逃すまいと皮膚の表面が萎縮して体温低下を防御する働きです。冬は外気の寒さで体が冷えないように防御して出かけるのに、夏は薄着のままです。寒さに対して無防備過ぎると思いませんか?

また、冷たい飲み物や食べ物を取りすぎると深部体温(内臓温度)が低下してしまいます。内臓温度が低下してしまうと免疫力が大幅にダウンして風邪をひきやすくなるし、ホルモンのバランスもくずれ、さまざまな不調を招くことになります。」 

これが「夏の冷え症」の原因です。

強い紫外線にさらされたり、温度差の激しい場所の出入りで体力を無意識に消耗したり、寝苦しさで不眠になったり……それらが積み重なって夏のからだは慢性疲労の状態になりやすいのです。慢性疲労がさらに進むと、自律神経の乱れにより体温調節ができなくなるという悪循環に陥ることもあります。

「寒いから温める」というわかりやすい対策ができる冬と違って、夏特有の環境とさまざまな要素が複雑に絡み合って生じる「夏の冷え症」は想像以上にやっかいなものなのです。

 

「夏の冷え症」にならないためにできる3つの対策

そんな「夏の冷え症」にならないために、日常生活の中で私たちができる対策は下記の3つ。
1日の中で「冷えを感じる」という方は、ぜひ実践してください。

1. 体を温める食べ物を摂る

夏の冷え性

  • ビタミンE

手足の温度を上げるのはビタミンE。夏はとくにかぼちゃなどの緑黄色野菜やアーモンドがおすすめです。

  • ニンニクやショウガ、とうがらしなどのスパイス

深部体温を上げてくれるので、夏こそ積極的に摂りたい食材。ニンニクはにおいが気になるという方は、におわないニンニクや休日前でも良いので、夏バテ防止にしっかり摂りましょう。

  • 発酵食品

免疫力アップには腸内環境を整えるために、納豆・みそ・ヨーグルト・ぬか漬けなどの発酵食品も意識して摂りましょう。

2. 適度な運動をおこなう

筋肉を動かすことでからだは熱を生むため、冷房の中にいるという人ほど運動は必要です。

筋肉量が少ないと冷えやすいからだになるため、運動や栄養バランスを心がけることが重要です。とくに、足腰や体幹の筋肉を鍛えるために、体幹トレーニング後にウォーキングするのが良い方法です。気温の高い日中は避けて、朝や夕方の比較的涼しい時間を選んで、熱中症には十分気をつけて運動しましょう。

3. 十分な睡眠をとる

夏の冷え性

暑さで眠れない、暑さで夜中に目が覚めるなど、夏は慢性的な睡眠不足になりやすい季節です。実は睡眠不足が自律神経の乱れを決定づけることになります。

昼間に室温が上がった部屋は壁自体に熱がこもっているため、寝るときに冷房を消すと、すぐに室温が上がって寝苦しくなってしまいます。できれば、タイマー機能などを使って夕方から冷房を入れ、就寝後にも快適な環境になるようにしましょう。 

(文・川原好恵)

この記事の監修

知久 正明(ちく・まさあき)

日本循環器学会専門医・日本脈管学会専門医・日本医師会認定産業医/医学博士/ ウィメンズヘルスクリニック東京
日本大学医学部卒業、循環器内科入局。心臓病だけでなく血管病まで診られる最新の医療機器を備えたバスキュラーラボで、『病気より患者さんを診る』を基本として診療しています。

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