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8本目の歯・親知らずのナゾに迫る! 要るの? 要らないの? 名前の由来は?

虫歯になりやすかったり、歯茎が腫れたり、まっすぐ生えてこなかったり……すべての歯のなかでも特に、厄介者扱いをされてしまう“親知らず”。この歯は一体なんのためにある? 生えてきたら抜かなきゃダメなの?

慶應義塾大学医学部教授・歯学博士 中川種昭先生に、親知らずについてのモヤモヤをすっきり解消していただきました!

 

親知らず最大のミステリー。名前の由来と生える人と生えない人がいる理由

親知らずまずは、謎をいっそう深めている“親知らず”という名前。この語源は一体どこからきたのでしょうか。

「親知らずとは、正式には第三大臼歯(だいさんだいきゅうし)のこと。歯を前から数えて8本目にある歯のことをいいます。9本目まである人も、ごくまれにいます。第二大臼歯(7本目の歯)までは12歳頃までに生え揃いますが、親知らずはそこから少し時間をあけて、18歳以降になって生えてくる。つまり、分別のつく年頃になってから生えてくるから、『親がその生え始めを知らない』ということ。諸説ありますが、一般的にはそれが語源といわれています」。

ネーミング以上に、多くの人がモヤモヤしているのが、親知らずには生える人と生えない人がいる、ということ。これって一体なぜ?

「生えない人の中には、歯胚と呼ばれる歯の元がない人がいます。しかし現代人は、昔の人と比べて硬いものをあまり食べなくなったため、アゴが小さくなって、歯自体は存在していても、親知らずが生えるスペースがなくなってきたことも生えなくなる原因のひとつと考えられています」。

 

残しておいたほうが良い場合もある!? 親知らずを抜くメリット・デメリット

親知らず虫歯ができたり、歯茎に炎症が起こったりすると、他の歯よりも抜歯をすすめられることも多い親知らず。親知らず自体、もともとあってもなくても良い存在なのでしょうか? 

「まっすぐ生えてきている場合、虫歯ができたら他の歯と同様に治療をして残しておくことは可能です。しかし、親知らずは一番奥にあるため器具が届きにくく治療が困難であること。また、奥まできちんと歯磨きをするなど、管理も難しく虫歯を繰り返しやすいことなどから、抜歯をすすめることはあります。きちんと機能していない親知らずを抜くことで、その手前にある残しておくべき第二大臼歯を健やかに保つことができる、といったメリットもあります」。

では、親知らずを抜かなくてもよい場合や、抜くとかえって不具合が生じるといったデメリットはあるのでしょうか?

先ほどもお話したとおり、正常に生えてきちんと機能している場合、抜く必要はまったくありません。虫歯や歯周病にならないよう、日々のデンタルケアを徹底していれば、残しておいてよいでしょう。下あごの親知らずの近くには、下歯槽神経という神経が通っているため、親知らずを無理に抜くことで麻痺を起こす可能性も。痛みや腫れ、虫歯といったトラブルがない場合は、安易に抜こうとしないほうがよいこともあるのです。

 

親知らずの虫歯や歯茎の炎症を防ぐ3ステップケアをマスター

Fotolia_168031591_Subscription_XXL親知らず=痛くなる……というイメージは「奥にあり、きちんと生えていないことが多いため、他の歯と比べて虫歯や歯周病、歯茎の腫れといったトラブルが起こりやすいから」と中川先生。

歯は奥へいくほど歯茎の幅が狭くなり、歯ブラシのヘッドをきちんと歯に当てて磨くことが難しくなります。しかし、それを放っておくと、デンタルプラーク(歯垢)がたまりやすくなり虫歯の原因に。歯ブラシ、デンタルフロス、マウスウォッシュの3ステップケアを日々取り入れるようにすると、親知らずまでくまなくケアができ、トラブル予防に効果的です。

STEP1:“ツッコミ振るわせ磨き”でプラーク(歯垢)を除去

pixta_26943620_M歯ブラシは奥まで届きやすいヘッドの小さいものが◎。1ヵ所10ストロークを目安に、歯の外側、内側、噛み合わせの3面をていねいにブラッシングしましょう。シャカシャカと勢いよく音を立てるのは力が入り過ぎている証拠。ブラシの毛先を歯と歯の隙間にフィットさせながら、やさしく小刻みに動かすときれいに磨けます。親知らずは特に磨きづらい部分なので、歯に当てるだけで汚れをしっかり落とせる音波ブラシなどもおすすめです。

STEP2:デンタルフロスで歯間の汚れもお掃除

軽くゆすいだあとは、デンタルフロスで歯ブラシでは届かない歯と、歯の隙間の汚れもしっかり落としましょう。若い方は隙間が狭いのでデンタルフロスを、高齢になってくると隙間が大きくなってくるので、その場合は歯間ブラシをおすすめします。

STEP3:マウスウォッシュでお口をさらに清潔に!

口の中の黴菌は、歯だけではなく、頬の内側や歯茎にもたくさんついています。毎日、歯磨きの仕上げにマウスウォッシュをすることで、歯茎の炎症が改善され、プラーク(歯垢)が減り、虫歯ができにくくなります。液体なので口内をすみずみまでケアできるため、ブラッシングしにくい親知らずのケアに大変有効です。

親知らずがあっても正常に生えている分には問題なし。また、親知らずが生えていなくても心配する必要はありませんが、親知らずがうずく、奥歯の歯茎が腫れてきたなど、気になる場合は歯医者さんに即ご相談を!

 

 

(文・坂井七緒美)

中川 種昭

この記事の監修

中川 種昭(なかがわたねあき)

慶應義塾大学医学部教授(歯科・口腔外科学教室)
1985年 東京歯科大学卒業 1989年 東京歯科大学大学院修了(歯周病学) 1990年 東京歯科大学助手(歯周病学講座) 1996年 東京歯科大学講師(歯周病学講座) 1997年 ワシントン大学(Seattle,USA) Visiting assistant professor 1999年 東京歯科大学講師(復職) 2002年 慶應義塾大学医学部教授(歯科・口腔外科学教室)

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