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視界にごみがチラつく

視界にごみがチラつく

井上 肇

聖マリアンナ医科大学 特任教授

井上 肇(いのうえ はじめ)

症状
視界にちらつく不快なヤツ  

明るいところや白いもの、青空を見た時に、視界に虫やごみ、糸くずのような黒い影や斑点が見える。視線を動かしても、影が一緒に移動し動き回り、目をこすっても無くならない。そんな症状がある人は、眼球の硝子体が老化したためにおこる飛蚊症の疑いが。目の老化が進んでいるサインかもしれません。

原因
目の老化でゴミが見える?

眼球の中にある硝子体という物質は、本来透明なものです。
魚の目玉についているゼラチン状の物質同様、透明なゼリー状の物質なので、普通はその粘性で網膜とくっついた状態になっています。しかし、硝子体がはがれたり、傷ついたりして、視界に本来あるはずのない虫やゴミのような浮遊物が見えるようになります。これが、飛蚊症です。

飛蚊症の種類(1)生理的飛蚊症

病気とは関係ない、自然な症状の飛蚊症です。硝子体の中にある線維や細胞成分が網膜に影として現れます。近視の人は眼球がラグビーボールのように長いため、硝子体の内部に線維などが集まりやすく、生理的飛蚊症の症状が起きやすくなります。

飛蚊症の種類(2)後部硝子体剥離による飛蚊症

加齢などによって起きる飛蚊症です。人間の硝子体は、加齢とともにゆっくりとしぼみ、次第に硝子体と網膜の間に隙間ができるようになります。これは後部硝子体剥離といい、40代頃から出始め、60代では約30%の人にみられる老化現象です。症状自体は心配する必要はないものです。

後部硝子体剥離そのものは、加齢によって誰にでも起こるので問題ありません。しかし、網膜と硝子体が強く癒着している人や、網膜が生まれつき薄い人は、網膜剥離や網膜裂孔などを発症する場合がありますので、飛蚊症が気になり出したら一度眼科受診が重要です。

 

目の老化でゴミが見える?

 

放っておくと…
ゴミの数が増えている?

基本的に飛蚊症は目の機能に影響を与えることはありませんから、放っておいても問題はありません。ただし「網膜剥離」や「網膜裂孔」といった目の疾患の前兆である場合もあり、その場合、症状が進行すると視野が狭くなったり、最悪の場合失明に進展することもあります。黒い影が増えたり、大きくなったり、視野が欠けたりした場合は、すぐに眼科で検査を受けてください。

対策
サングラスが必需品

飛蚊症が発症する原因のひとつに、硝子体の細胞に活性酸素が留まり、細胞が傷つくことがあげられます。できるだけ目の老化を遅らせるための自己防衛策は、UVカットです。なるべく紫外線を目の中に入れないよう、外出する時にはUVカット加工をしたサングラスをかけましょう。日傘や帽子なども一緒に使うと目もお肌もUVカットできます。コンタクトをしている人もUVカット機能の付いたレンズを選ぶのがおすすめです。

井上 肇

この記事の監修

聖マリアンナ医科大学 特任教授

日本臨床薬理学会 認定薬剤師/日本臨床薬理学会 指導薬剤師

井上 肇(いのうえ はじめ)

星薬科大学薬学部卒、同大学院薬学研究科修了。聖マリアンナ医科大学・形成外科学教室内幹細胞再生医学(アンファー寄附)講座 特任教授及び講座代表。幹細胞を用いた再生医療研究、毛髪再生研究、食育からの生活習慣病の予防医学的研究、アンチエイジング研究を展開している。

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