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ストレス社会の産物!? 突然の過呼吸、どう対処する?

普段私たちが何気なくおこなっている呼吸は、人間の生命活動の基本の「キ」。ですが、心理的なストレスが原因で、息苦しくなる「過呼吸(過換気症候群)」が近年増えているといいます。その原因や対処法を知るとともに、ストレスと上手につき合う方法について考えてみましょう。

 

 

 

過呼吸(過換気症候群)とは?

過呼吸とは、その名のとおり呼吸をし過ぎている状態です。自分で意図することなく発作的に呼吸が速くなり、それを止めることができないために血液中の二酸化炭素濃度が低下し、全身にさまざまな症状を起こします。傾向として男性よりも女性、特に若い世代に多く見られるといわれます。

過呼吸は呼吸運動の深さと回数が異常に増加した状態であり、健康な人でも精神的な緊張や不安、恐怖などの情動によって起こすケースが多いことが特徴です。

過呼吸(過換気症候群)の主な症状

過呼吸の症状で代表的なのが、呼吸困難や動悸、胸痛、手足のしびれ、めまいなど。
「呼吸がしづらい」「息が苦しい」といった症状によって不安や恐怖が高まると、余計に呼吸をしようとし、それが過換気を悪化させます。時には失神などの症状を引き起こすこともありますが、過呼吸はほとんどの場合、肺や気道などの呼吸器に異常が見られることがなく、直接的に命に関わることはないとされます。

過呼吸(過換気症候群)になるメカニズム

平常時のからだは、呼吸によって血中の炭酸ガス(二酸化炭素)の濃度が低下すると、脳が働きかけて自然に呼吸が抑制されます。ところが、不安や極度の緊張などで心理的に不安定な状態になると、そのような呼吸調節がうまく機能しないため、息を激しく吸ったり吐いたりする過呼吸状態が続きます。すると、血液がアルカリ性に傾き過ぎるため、さまざまな身体症状が現れます。

そもそも血中の炭酸ガスは血中の酸・アルカリ度と密接な関係があり、炭酸ガスが減ると、血液はアルカリ性になります。また、炭酸ガスが減ると脳の血管が収縮して脳への血流も減るため、頭がボーッとしたり、めまいが起こったりします。
さらに、手指の血流が減ると、手のしびれとなって現れることも。血液のアルカリ度が増すと、ひどいときは全身にけいれんが起こることもあるため注意が必要です。

過呼吸気味になってしまった場合の対処法

では、過呼吸になってしまったとき、どのように対処したらよいのでしょうか?
基本的には呼吸をゆっくりにし、安静にしていると症状は数分程度で治まっていくといわれています。そのため、発作が起きたら、【意識的に呼吸を遅くする、または呼吸を短時間こらえる】ようにすることが推奨されています。

対処のポイントは、【慌てずに静かに腹式呼吸を繰り返す】こと。そのためには、気分を落ち着けて、以下のようなステップを踏んで呼吸をしましょう。

いったん息を止める

お腹に手を当て、静かにゆっくりと息を吐く

吐ききったら、自然に息を吸う

お腹が上下するのを確認しつつ、腹式呼吸を繰り返す

なお、ビニール袋の中に息を吐き、そこに含まれる二酸化炭素を再び吸うことで、体内のバランスを改善するという対処法もあります。しかし、これを長時間おこなうと血中の酸素濃度が低くなり過ぎたり、二酸化炭素濃度が上昇し過ぎたりするリスクがあることから、近年では推奨されていません。

日頃から過呼吸にならないように心掛けたいこと

日頃から過呼吸にならないように心掛けたいこと

健康な人でも、1分間に30回以上の呼吸をすると息苦しさ(呼吸困難感)を感じるといわれています。息苦しさが続くと、食欲の低下ややる気の減退へとつながったり、過換気症候群の症状が悪化してしまうことも。普段から呼吸が浅い、過呼吸になりやすいと感じている方は、以下のようなことを意識してみましょう。

・正しい姿勢を心掛ける
肺は、肋骨で囲まれた籠のような骨格である胸郭に包まれています。そして、この胸郭が膨らんだり縮んだりすることで肺は伸縮し、呼吸がおこなわれています。猫背でパソコン作業を長時間おこなうなど、背中が丸まった姿勢のままだと胸が縮まり、大きく胸郭を膨らませられなくなって呼吸が浅くなりやすくなるため、正しい姿勢を心掛けましょう。
また、首・肩の凝りや代謝の低下にもつながるもの。デスクワークのときこそ、呼吸をしやすい正しい姿勢を意識してください。

・普段から、できるだけ呼吸への意識を持つ
限界があるものの、意志でコントロール可能な範囲も多いのが呼吸です。

・ 浅い息を深くする
・ 短い息を長くする
・ 吸気よりも呼気(吐くこと)に意識を向ける
・ 胸でしている息をできるだけお腹でしてみる

以上のことで呼吸が深くなることを自分のからだで体感し、日々実践してみましょう。特に、吐く息を意識することは大切で、長くゆっくり吐くことで自律神経が整うといわれています。

・ストレスと上手に向き合える習慣を持つ
呼吸がしやすくなるストレッチをおこなう、腹式呼吸を心掛ける、ヨガや気功をおこなうなど、緊張で硬くなりがちなからだをゆるめ、心もリラックスできる習慣を持つと◎。

さらに、からだを動かすだけでなく、好きな音楽を聴くなど、自分なりのストレス解消法を常に心の中に確保しておくのもいいようです。

不安や悲しみといったネガティブな感情を抱くと呼吸は速くなり、逆に幸せや喜びなどのポジティブな感情になると、呼吸は落ち着いていくもの。日頃から自分の姿勢や呼吸を意識しつつ、自分流のストレス発散・解消策をおこなっていきたいですね。

なお、心理的ストレスで何度も過呼吸の発作を起こす場合は、パニック障害などの精神疾患の可能性もあり、心療内科の受診が推奨されています。また、息苦しさを訴える人の中には、呼吸器系や循環器系の疾患を抱えている場合もありますし、手足のしびれは脳疾患の症状にも存在します。さらには糖尿病でも呼吸困難に陥ることがある等々、他の病気である可能性も時には否定できないため、気になる場合は内科か呼吸器科を受診しましょう。

(文・大津礼保奈)

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