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歯磨きで血が出た! 歯ぐきの出血の原因と対策

歯磨きの後に赤いものが……

歯磨きをすると歯ぐきから血が出る、歯ぐきが赤紫色になってきた、歯ぐきがブヨブヨしている、といった症状がある人は、お口のエイジングサインです。
これらの症状は、口の中で増えた細菌の仕業。強く歯磨きしすぎたかな? なんてのん気に考えていたら、大変なことになっちゃうかもしれませんよ!

歯ぐきから血がでるのはなぜ?

犯人は歯垢

歯垢(しこう)は、歯磨きで磨ききれなかった食べ物カスだと思っている人が多いですが、実は細菌のかたまりです。
食べ物のカス、とりわけ甘いお砂糖入りのお菓子は、口の中にいる虫歯の元であるミュータンス菌の餌となってしまいます。ミュータンス菌は食べ物の糖質をベタベタなグルカンという物質に変えて、余計に食べかすや細菌をくっつけてしまいます。これが歯垢(プラークとも言う)になります。つまようじや爪で引っかくと取れる、ネチョネチョした細菌のカタマリが歯垢です。
そして、歯垢が固まって歯磨きでは取り除けない頑固な歯石となり、ここにまた歯垢がつくという悪循環が始まります。
こうなると、細菌がウジャウジャと増殖し、歯と歯ぐきの隙間にある溝(歯肉溝)に入り込んで悪さをします。その結果、歯肉溝が深くなって歯周ポケットとなり、炎症を起こして歯ぐきから血が出たり、赤紫色になったりブヨブヨになったりしてしまうのです。

歯周病で歯が抜ける進行過程

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第1段階:歯垢(プラーク)が溜まる!

ネバネバした菌のカタマリが歯と歯ぐきの間、歯と歯の間に溜まる。
➡この段階なら歯ブラシ、歯間ブラシ、デンタルフロスで除去可能!

第2段階:歯肉炎になる!

歯ぐきが少し炎症をおこし始めます。歯周ポケットができ始めます。
➡まだ大丈夫! 正しい歯ブラシやデンタルフロスの『継続』で治ります。

第3段階:歯周炎になる!

歯ぐきはもっと炎症をおこし、歯周ポケットも深くなります。歯の根元の骨、歯槽骨も溶け始めます。歯垢も歯石という固い石のようになってきます。
➡歯石は歯ブラシでは取れません。この段階になったらもう元には治りませんのでこれ以上の進行を防ぐことが急務です。

第四段階:歯が抜けそうになる!

歯槽骨という歯の根元の骨が溶け、本来の半分くらいの細さになります。ミュータンス菌のリポ多糖、ペプチドグリカンや噛む力が強いことが、骨を溶かす細胞(破骨細胞)を元気にしてしまうからです。歯はグラグラになります。
➡歯が抜ける、糖尿病や脳梗塞などの病気に関係してくる。

歯ぐきの出血対策

①正しい歯磨きの仕方をおさらい!

出血するからといってそこを避けて磨いたり、なでる程度ですませたりしていると、歯周病を進める原因になってしまいます。炎症の初期段階であれば、きちんと磨くだけ改善されることもありますから、正しい歯磨きの仕方を身につけ、実践しましょう。
寝ている間は唾液の分泌量が減少するので特に寝る前は念入りに歯を磨き、寝ている間に口の中で細菌が増殖するのを防ぎましょう。
また、歯石になってしまった場合は歯磨きではとれませんが、歯医者さんで簡単に除去してくれるので、気になる人は定期的にチェックしてもらうといいでしょう。

②歯間ブラシ、デンタルフロスを使う!

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歯間ブラシやデンタルフロスは、できたら歯科で買い、使い方を聞いておきましょう。力を込めて使うと歯ぐきが慢性的に炎症をおこしたり、歯ぐきが下がる恐れがあるためです。デンタルフロスのポイントは、歯に沿わせて使用することです。二本の歯の間にある三角になっている歯ぐきを傷つけないようにしましょう。この三角になっている歯ぐきが下がると知覚過敏になります。

③舌をブラッシングする

舌にいる嫌気性菌であるミュータンス菌が、歯周病の供給元になっていることがあります。舌のコケには意外と多くの菌が生息しています。いくら歯がきれいでも息が臭い場合は舌の菌が原因である場合があります。舌のブラッシングはやりすぎると炎症をおこしますのでご注意ください。

④お口以外の原因も考える

お薬の副作用や、意外な病気が原因の事もあります。

歯周病じゃない出血の理由

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①普段の薬の副作用

バイアスピリン、ヘパリン、ワーファリンなどの血液の流れをよくする薬や、高血圧薬のカルシウム拮抗薬などは注意。これらの薬は命に関わる薬ですので、歯ぐきからの出血を理由には止めてはいけません、自己判断で止めないようにしましょう。

②歯のかぶせものがあっていない

かぶせものが大きすぎたり、歯ぐきに直接あたっている場合があります。これは治療可能です。実際に出血を起こしている時に行くことが一番いいですね。

③紫斑病

歯ぐきに限らず全身に皮下出血が起こります。一般的なアレルギー性紫斑病は子供に起こりやすく、そして基本的には大事には至りません。ただし1カ月ほどは安静にしている必要があります。

④白血病

血液のがんと言われています。血を止めるための血小板が減り、歯ぐきや鼻の粘膜から簡単に出血します。貧血もおこします。大人が急に発症することもあります。

⑤血友病

小さなときからあざができやすい、関節が腫れやすいなどの症状が出ます。生まれつき、凝固因子という血液を固めるための物質が欠損しています。

⑥肝機能障害

肝臓は血を固めるためのタンパク質を作ります。肝臓がかなり弱ると、知らないうちにあざを作ったり、全身からの出血が起こりやすくなります。

⑦壊血病

ビタミンCの欠乏から起こりますので、先進国ではなりにくい病気です。フレッシュな果物を食べない、ストレスが多い、愛煙家、途上国などでみられます。

歯ぐきの出血を放っておくと……

口が臭いのは歯が抜ける前兆!?

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出血や歯ぐきの異常を、痛みがないから、むし歯ではないからと放っておくと、症状はどんどん進行していきます。症状が進むと口臭がきつくなったり、歯周病になってしまうことも。さらに、歯周病を放っておくと、歯ぐきが弱り、歯の根元がやせ細り支えられなくなるため、歯が抜けてしまうので要注意! 異常を感じたら、一度病院で確認してみてください。ちなみに、世界の人口の約7割の方が、何らかの歯周病になっていると言われています。歯周病はとても身近な病気なのです。
また、最近は歯周病と全身の病気の関連性が注目されています。糖尿病、脳梗塞、誤嚥性肺炎、低体重児の出産、早産などです。口は粘膜ですので、血液の流れに病原菌が乗りやすいのです。口腔内の健康を保つことは全身の健康を保つことにとても重要なのです。

 

まとめ

お口からの出血なんていつもの事、このように考えるのはストップしましょう!まだ健康な出血しない状態に戻せるかもしれません。気になることがあれば歯科医師さん、歯科衛生士さんに相談して口腔内のチェックをしてもらい、正しいケア方法を教わりましょう。

 

<参考資料>
日本歯周病学会会誌Vol. 57 (2015) No. 3 p. 120-125
日本臨床歯周病学会
メルクマニュアル医学百科

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