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心の緊張を取る! 力を抜くだけのリラックス法「筋弛緩法」とは?

心の緊張を取る! 力を抜くだけのリラックス法「筋弛緩法」とは?

「寝る直前までスマホやTVを見ている」
「個人的な悩みを深夜まで引きずっている」
「大切な予定の前夜で緊張が解けない」

このように、さまざまな理由で脳が休まらず、寝つきが悪いという悩みを持っている方は多いはず。そこで試してみてほしいのが、簡単なのに効果絶大なリラクゼーション法 「筋弛緩法」です。

ヨガのクラスなどでも同じような手法が取り入れられていることも多く、広く愛されているメソッドとして近年再注目されています。

筋弛緩法とは?

筋弛緩法とは、アメリカの神経生理学者エドモンド・ジェイコブソン博士が1930年代に考案したリラクゼーション法で、正式名称は「漸進的筋弛緩法」といいます。

人は不安や緊張、恐怖などのストレスを抱えているとき、無意識のうちにからだに力が入っています。これはイコール、筋肉が緊張状態になっているということ。

筋弛緩法はこの緊張状態を解消し、筋肉の完全な弛緩へと誘導するというものです。【からだの各パーツの筋肉をしばし意識的に緊張させたあと、力を抜いて緩めることを繰り返していきます】。認知行動療法(感情や気分に影響を及ぼしている偏った物事の捉え方を修正し、思考のバランスが取れるようにしていく治療法)の一環としておこなわれており、不眠の解消に役立つことでも知られています。

まず、からだに力が入っていることを認識し、その力をパッと抜くことで筋肉がリラックス。結果、心のリラックスにもつながり、安眠などの効用につながるというのが大まかなメカニズムです。

こんなにある!筋弛緩法のメリット

筋弛緩法のメリットは大きく分けて2つあります。

からだの緊張が解きほぐされ、心もリラックスする

からだの緊張がほぐれることで、自然と心もリラックスします。結果、イライラや漠然とした不安感、気分の落ち込み、無気力などの解消にもつながりやすくなります。

寝つきや睡眠の質の改善に貢献

からだがリラックスすることで副交感神経が優位な状態になり、スムーズに眠ることができるようになります。実際、睡眠の質もアップしたという研究結果もあります。

からだに対する効果として他にも、以下のものが知られています。

・血流アップ(リラックスした状態になると手足の筋肉が弛緩し、末梢血管が拡張し、血流が増加)
・高血圧や不整脈の改善
・消化器系の病気の予防や回復を促す効果
・緊張型頭痛(頭の周りや首の後ろ、肩、背中にかけての筋肉が緊張するために起こる頭痛)の改善
・頻尿の改善

また、メンタルへの効果もいろいろとあります。

・イライラが解消され、心が穏やかになる
・気分転換の効果も高い
・作業に疲れたときにおこなうと頭がクリアになり、効率がアップ

筋弛緩法は基本、【10秒間、からだの特定パーツに力を入れ、あとは一気に力を抜くだけ】なので、いつでもどこでも簡単におこなえ、短時間でできる点も魅力です。

筋弛緩法、さっそくやってみよう

筋弛緩法、さっそくやってみよう

基本動作

各パーツの筋肉に対し、10秒間力を入れて緊張させ、15~20秒間脱力・弛緩します。
※椅子に腰かけ、背もたれに背中をつけずに浅く座っておこないます。できればベルトや時計、眼鏡などからだを締めつけるものを外し、なるべく静かなところで、からだの感覚に集中しながらおこなうのがベターです。

やり方&流れ

からだの主なパーツの筋肉に対し、基本動作を順番におこないます。各部位にぎゅーっと力を入れた後、ダラーっと脱力。緊張する感覚と力が抜ける感覚がどういうものかを、しっかり体感することが大切です。

両手
両腕を伸ばし、手の平を上にして、親指を曲げてギュッと握る(10秒間緊張)→手をゆっくり広げ、膝の上において脱力(15~20秒間)

両腕
力こぶを作るように腕を曲げ、脇を締めてギュッと力を入れる(10秒間緊張)→脱力(15~20秒間)

背中
曲げた上腕を外に広げ、肩甲骨を引きつける(10秒間緊張)→脱力(15~20秒間)


両肩をグッと上げ、耳まで近づけて力を入れる(10秒間緊張)→脱力(15~20秒間)


右側に首をひねって力を入れる(10秒間緊張)→脱力(15~20秒間)左側も同様に


目と口をギュッとつぶり、奥歯を噛みしめて顔全体を顔の中心に集めるように力を入れる(10秒間緊張)→ポカンと口を開けて脱力(15~20秒間)

お腹
お腹に手を当て、お腹をへこませる。そのまま、その手を押し返すように力を入れる(10秒間緊張)→脱力(15~20秒間)

足の下側
両足を伸ばし、足の下側の筋肉に力を入れる(10秒間緊張)→脱力(15~20秒間)

足の上側
足を伸ばし、つま先を上に曲げて足の上側の筋肉に力を入れる(10秒間緊張)→脱力(15~20秒間)

最後に全身
これまでにおこなったパーツすべて=全身の筋肉に力を入れる(10秒間緊張)→脱力(15~20秒間)

なお、できるパーツだけおこなうのでもOKですが、以上の順に全身に対しておこなうのがおすすめです。ひと通りやり終えるまでの所要時間は、わずか15分程度です。

からだの緊張はいきなりほぐそうとしてもなかなか難しいため、まずは力を入れて筋肉を最大限に緊張させ、次にスーッと力を抜くのがポイントです。これを繰り返すことで、自分である程度意識して力を抜くことができるようになる、というのが筋弛緩法のいいところです。

日本人を対象にした調査によると、5人に1人が「睡眠で休養が取れていない」「何らかの不眠がある」と回答しているとか。また、加齢とともに不眠は増加しています。実際に、60歳以上の方では、約3人に1人が睡眠問題で悩みがあるといいます。寝つきが悪いなど不眠気味で悩んでいる方は、就寝の直前に筋弛緩法を試してみてはいかがでしょうか。

筋弛緩法

(文・大津礼保奈)

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