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冬に調子が悪くなる「冬うつ」って何?

春や夏は元気に会社に行っているのに、冬になると途端にやる気がなくなる……。このように季節によって意欲や気分のアップダウンが激しい人は、もしかしたら冬限定でかかる「冬うつ」かもしれません。「冬うつ」と一般的な「うつ」は一体何が違うのでしょうか。精神科医としてメンタルヘルスの診断と治療などを行っている、メンズヘルスクリニック東京(東京都千代田区)の小林一広院長に聞きました。

 

日照時間の短さが「冬うつ」の主な原因に

日照時間の短さが「冬うつ」の主な原因に

冬うつとは、その名の通り、冬限定でかかる「季節性うつ病」のひとつです。冬うつの研究が始まったのは、北欧の人の多くが「冬になるとうつ病にかかる」ことが多いとわかったから。研究の結果、太陽の光をいかに多く浴びているかが、うつ病の発症率に大きく影響しているということが明らかになっています。北欧では、太陽が一日も昇らない“極夜”が12月~1月の約2カ月続き、それ以外の月でも15時前には太陽が沈んでしまうので、冬になると空はどんより暗くなり、それに伴って気分も一緒に暗くなってしまうのです。

日照時間の短さが「冬うつ」の主な原因に

「日本は北欧ほど顕著に日照時間が短くはなりませんが、寒さからくる活動量の激減、年末年始の忙しさなどをきっかけに冬うつを発症させてしまう方も少なくありません。
春や夏は元気だけど、冬になると毎年調子が悪くなるという方は、冬うつの可能性があります」
(小林先生)

 

 

 

冬うつの症状は、うつ病とほぼ同じ。次の症状が冬限定で当てはまる方は要注意です。
□ やる気が出ない。
□ 人と会うのがおっくう。
□ 集中力が持続しない。ケアレスミスが多くなった。
□ 以前興味があったものに無関心になった。
□ 食欲がない。以前おいしいと感じていたものがおいしくなくなる。
□ 早朝に起きてしまい、眠れなくなる。
□ 性欲が激減した。
□ 朝起きるのがつらい。

「やる気が出ない、気分が落ち込んでいるといった症状は、一時的に誰にでもあると思いますが、食欲低下や早朝覚醒(朝早く目が覚めてしまう)、気分の日内変動が激しいといった自覚があれば、うつ病を疑ってもいいと思います。うつ病には、朝起きるのがつらく夕方になると少し気持ちが晴れるというような、1日の気持ちの変動が大きくなる特徴があります。朝は這うように会社に行き、帰宅するころには何とかやり過ごせるようになる。そんな毎日を繰り返す場合は、早めに専門医の診断を受けてください」
(小林先生)

日光を積極的に浴びる生活を送ろう

では、冬うつにならないための対策はあるのでしょうか。
「何よりも、太陽の光を長く浴びることです。生き物としての理想の生き方は、日の出とともに起き、太陽が沈む時間には寝る準備を始めること。ただ、現代人がそれを実行するのはほとんど不可能ですので、朝起きたらカーテンを開けて陽の光を部屋に取り込む、日中は外を歩く時間を増やすなどの工夫が必要です。太陽の光を浴びることで、睡眠と覚醒のリズムを作るメラトニンというホルモンがしっかり分泌され、人間本来の生活リズムが整うようになります」(小林先生)

冬うつが去るまで、焦らずのんびり休むことが一番

冬うつが去るまで、焦らずのんびり休むことが一番

うつの諸症状が出ている場合は、早めに精神科・心療内科を受診すること。自己判断によって症状が重くなると、完治するまでの時間も長くなってしまいます。
「うつ病になったら、ストレスの原因から離れ、無理をせずにゆっくりと休むことが一番大事です。
医師の診断により抗うつ剤、抗不安剤、睡眠薬などが処方されたら、決められたように飲み、できることしかやらないというゆったりした心持ちでいること。私がよく患者さんに言っているのは『台風が来てしまったときは、去るまで家のなかでじっとしているのが一番』。
雨漏りが心配だなと、雨風が強い中外に出ていったらケガをして状況はさらに悪くなるでしょう。うつ病も同じです。
できないことを無理してやろうとしてはいけません」(小林先生)

うつ病には、なりやすい“病前性格”があり、「几帳面で真面目な人、与えられた仕事をきちっとやらないと気がすまない完璧主義な人」が当てはまります。そういった人ほど、自分がうつ病であることを認めず、客観的視点を見失ってしまうために、症状が悪化しやすくなるといいます。

食欲が落ちなければ男性更年期障害の可能性あり

食欲が落ちなければ男性更年期障害の可能性あり

尚、男性が「もしかしてうつ病かな……?」と思ったとき、セルフチェックをする際に知っておきたいのが「男性更年期障害」です。やる気が出ない、気分がずっと落ち込んでいるなど、症状がうつ病と非常に似ていますが、大きな違いは「男性更年期障害の場合、食欲はあまり落ちない」こと。食欲低下は見られないのに、意欲低下により活動量が下がるため太りやすくなります。

うつ病の場合、ほとんどのケースで食欲低下を認めるため太ることはあまりないといいます。

男性更年期障害の場合、ホルモン補充療法によって症状を改善させていくため、治療法は異なります。
2つを混合しないためにも、専門医による診断を早めに受けるといいでしょう。

小林 一広

この記事の監修

小林 一広(こばやし かずひろ)

精神保健指定医/医学博士/医療法人社団ウェルエイジング理事長/メンズヘルスクリニック東京(旧城西クリニック)院長
北里大学医学部卒業、同大学病院にてメンタルヘルスを中心とする医療に従事。頭髪医療は精神面からの医療が必要であるという思いから医療法人社団 メンズヘルスクリニック東京を開設。精神科医としての経験を生かしながら、心身両面からの頭髪治療に力を注いでいる。

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