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サプリメントの素朴な疑問に、薬学博士が答えます!

サプリメントの素朴な疑問に、薬学博士が答えます!

聖マリアンナ医科大学形成外科学准教授 井上肇(いのうえ・はじめ)先生からだエイジングの『エイジングサインをチェック』でお馴染みの聖マリアンナ医科大学形成外科学准教授 井上肇(いのうえ・はじめ)先生。医学博士・薬学博士・薬剤師でいらっしゃる先生の監修された記事はとてもわかりやすく、エイジングサインのアクセスランキングではいつも上位に!

聴講される方々から、事前にサプリメントに関する疑問を募り、それにお答えいただくというディスカッション形式

私が企画・コーディネートさせていただいた井上先生の、とある大阪セミナーも大好評でございました。聴講される方々から、事前にサプリメントに関する疑問を募り、それにお答えいただくというディスカッション形式。大阪ならではの“ノリ”もあって、大変白熱したセミナーに♪ その中から、特に人気のあったサプリの素朴な疑問とそのご回答をご紹介していきましょう。

Q 天然と合成のサプリでは、天然のほうが身体にいいの?

A 「天然サプリと合成サプリに、
目的とするサプリ成分の構造に違いはありません。

天然型ビタミンC等といっている成分がありますが、
基本的には純度が低い事を意味していると
私は考えています。
天然成分を抽出してサプリをつくった際に
“ビタミンCがこれだけあります”
“これは天然ビタミンCですから安心で有効です”
みたいな。

ただし、あながちウソともいえないのは、たとえば、
こういった植物や動物から抽出した成分に、
ビタミンCの吸収を良くする別の成分が存在していれば、
同じ量の天然ビタミンCと合成ビタミンCを摂取すると、
吸収動態は変わります。
恐らくこの辺の事をいっているのかも知れません。
しかし、身体への効果は変わりません」(井上先生)

Q サプリの飲み合わせの良い・悪いはありますか?

A 「サプリメントの飲み合わせというのは、
大きく2つに分けて考える必要があります。

まず「医薬品との飲み合わせ」です。
たとえば、血圧降下薬のカルシウム拮抗薬は、
フラボン系(柑橘類)のサプリメントとの併用で効果を増強する
という相互作用を示します。いわゆる、血圧が下がりすぎる可能性が。

一方で、鬱病に効果的といわれたセント・ジョーンズ・ワートは、
気管支拡張薬など多くの医薬品の効果を変調し、
うかつな中止で思わぬ副作用が現れる場合があります。

また、ビタミンK等を多く含むサプリメントを服用していると、
血液凝固を遅延するお薬との相互作用で、血液が固まりやすくなったりします。

このように、持病をお持ちで、あるいは体調を崩し治療のため
お薬を服用しなければならない状況になった時には、
サプリメントの継続は極めて危険因子を多く含みます。
医師や薬剤師にしっかりと状況を説明されて、継続の可否を確認してください。

特に薬物相互作用については薬剤師の方が詳しいので、
薬局等で症状を説明し、服用しているサプリメントを説明し、
指導と診察を受けることをお勧めします。
サプリメントアドバイザーは、医薬品については知識がそれほど
豊富ではないので、相談される事はあまりお勧めいたしません。

次に「サプリメント同士の飲み合わせ」ですが、
現在販売されているサプリメントは、単一成分のサプリメントであることは稀で、
色々と複合されたものだと思います。複数のサプリメントを服用される方が
大半と思いますが、この時に共通する含有成分があると、
一日の服用量が極端に増加してしまう危険があります」(井上先生)

Q アメリカには多くのサプリが溢れていますが、含有量が日本より多いと思います。FDAの承認済みと書いていれば、摂取しても安全でしょうか?

A 「FDAとはアメリカ食品医薬品局のこと。
いわゆる日本の厚生労働省のようなところですね。 聴講される方々から、事前にサプリメントに関する疑問を募り、それにお答えいただくというディスカッション形式

ご存知のように、欧米人と日本人の体格と体型には
大きな違いがあります。
いちばん重要なことは、成人体重が明らかに違うことです。
日本人であれば、20〜50歳くらいでは
男性約170cm・体重60kg代半ばから後半。
女性約158cm・体重50kgくらいのはずです。
米国人は、ざっくりと男性180cm・85kg、
女性は165cm・75kgくらいのはず。

含有量の多さは、この体格の違いが前提にあります。
よく見ると日本人の女性より、
米国人女性は50%近く体重が重いことがわかります。
男性も似たり寄ったり。基本的にFDAが
許認可した成分に関しては、
安全性の担保は取れていると思って差し支えありません。

逆に日本の方がルーズなときもあります。ただし投与量(摂取量)ですが、
これについては、先程述べた様に体重が余りに違うので、
考慮したほうが良いかと思います」(井上先生)

Q 同じ成分なら、サプリの形状で吸収の差はありますか?(タブレット・ソフトカプセル・パウダー・液体等)

A 「現在のサプリメントの製剤技術は、医薬品の技術をフィードバックして
使っております。従って、打錠機(薬や健康食品などの錠剤をつくるプレス機の一種)、
カプセル基剤、粉体製造、液体製剤の安定化など、
わざわざサプリメント用に開発するということはありません。
かえってコストがかかりますし、開発の手間が必要です。

医薬品において確立された技術を踏襲しているだけですから、
錠剤を飲んだら溶けずにそのまま“うんち”から出てきたということはありません。
その意味では、医薬品のこれらの製剤形状とサプリメントの製剤形状が同じ者同士は、
性能は同じと考えてかまいません。

サプリメントの形状によって『吸収速度』に差が出る可能性はありますが、
そもそもサプリメントは即効性を求めるものではないので
あまり問題視されなくてもいいでしょう。
また、製剤の『吸収量』に関しても、サプリメントは基本的に医薬品の
製剤技術が使われているので、どのタイプの形状であっても
極端に吸収されにくいことはありません。
ですから、こちらもあまり心配する必要はないですね」(井上先生)

日常的にサプリメントを飲んでいらっしゃる方も多いと思いますが、何となく選んで購入していることが多い様子日常的にサプリメントを飲んでいらっしゃる方も多いと思いますが、何となく選んで購入していることが多い様子。恥ずかしながら私も同じでした。薬との飲み合わせは、お医者さんや薬剤師さんにきちんと確認をすべき、など「はっ!」とする内容も。

聴講した方々も「それは知らなかった~」「タメになりました!」と大満足されていたようです。エイジングケアをサポートするサプリメント、上手に摂り入れてくださいね。

 

 

美容ジャーナリスト 藤田麻弥取材・文/美容ジャーナリスト 藤田麻弥

【プロフィール】
雑誌やWebにて、美容と健康に関する記事を執筆。化粧品のマーケティングや開発のアドバイス、広告のコピーも手がける。エビデンスのある情報を伝えるため、日本抗加齢医学会や日本香粧品学会を始め、多くの学会やセミナーを聴講。自身もアンチエイジングに関するセミナーの企画・コーディネートを務める。著書に『すぐわかる! 今日からできる! 美肌スキンケア』(学研パブリッシング)がある。

【最近のハマりもの!】
最近、時間栄養学が認知されつつありますね。その理論に従い、深夜まで仕事をすることの多い生活ですが、夜9時以降、食べ物を口にするのを控えています。体内で脂肪合成を促すタンパク質 BMAL1の働きが、最も活発になるのは夜10時から深夜2時頃。同じカロリーの食事でも、朝よりも夜のほうが、熱消費量が4分の1になってしまうからです。

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