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周囲を悩ませる厄介者!いびきを解消するには原因を知るべし

周囲を悩ませる厄介者!いびきを解消するには原因を知るべし

井上 肇

聖マリアンナ医科大学 特任教授

井上 肇(いのうえ はじめ)

家族やパートナーに「いびきがうるさい」と言われて、ショックを受けたことはありませんか?

いびきは睡眠時に発生するため自覚が難しく、放置しておくと周囲に悪影響を及ぼしてしまう可能性もあるため要注意です。
「自分はいびきをかいているかも?」と不安がある人は、いびきの原因や種類について学んでいきましょう。

気になるいびきのメカニズム

いびきは睡眠中に観察される“特異な呼吸”です。 仰向けで横になると、私たちの身体の固定されていない部分は、地球の引力によって下に落ちようとします。例えば、仰向けになると女性のバストが左右両側に下垂するようなイメージです。

睡眠は身体の疲れを癒すための休息時間ですから、身体機能は生命を維持できる程度まで低下します。それによって筋肉も弛緩するため、普段は筋肉で支えられている組織が緩んで下に落ちるのです。

このような状態になると、口腔内の舌も垂れ下がり、空気の通り道を狭めてしまいます。狭くなった通り道から必要な量の空気を吸い込んだり吐き出したりするため、勢いよく空気が流出入するようになります。これによって、笛のように音が出る状況が「いびき」です。

風邪、花粉症、過剰な飲酒がいびきの原因に

風邪、花粉症、過剰な飲酒がいびきの原因に

もし口腔内の舌が垂れて空気の通り道が狭くなっていても、鼻からきちんと呼吸をしている限りいびきは発生しません。しかし風邪をひいたり、花粉症やアレルギーで鼻腔内が炎症を起こして腫れたりすることで鼻閉(鼻づまり)が起こると、必要な空気を交換するために口呼吸を併用するようになり、それがいびきの原因になります。

また、鼻腔(鼻の穴の内側)が先天的に湾曲していたり、慢性副鼻腔炎や鼻茸などで鼻腔が狭くなっていることもいびきの原因につながります。

過剰な飲酒もいびきの原因になります。飲酒するとアルコールの麻酔作用によって筋弛緩が引き起こされ、より睡眠中に口腔内の舌が垂れ下がり、いびきをかきやすくなるのです。睡眠薬の服用もこれと同じ理屈でいびきを助長します。

基本的にいびきの発生率に性差や年代差はないといわれています。しかし男性に比べて女性は顎が一回り小さいので、それが原因となっていびきが発生する可能性はあります。

「単純性いびき」と「症候性いびき」とは?

「単純性いびき」と「症候性いびき」とは?

いびきは疾病を伴わないいびきと、疾病が隠れているいびきの二つに大別されます。疾病を伴わないいびきを「単純性いびき」、疾病が隠れているいびきを「睡眠時無呼吸症候群を伴う症候性いびき」と呼びます。 疲労、飲酒、風邪などが原因で起こる一時的ないびきは単純性いびきです。
一方、疾病が隠れている睡眠時無呼吸症候群を伴う症候性いびきは、日中の眠気や重篤な疾患にもつながる可能性があるため医療機関でしっかり治療する必要があります。 睡眠時無呼吸症候群を伴う症候性いびきは、身体が反射的に無呼吸状態(呼吸困難)を改善しようと大きく深呼吸するため、非常に大きないびきをかくことが特徴です。

「鼻いびき」と「喉いびき」の違い

いびきは鼻腔や咽(のど)の空気の通り道が狭くなることが原因ですが、風邪やアレルギーによる鼻づまりで通り道が狭くなっている場合に起こるいびきは「鼻いびき」、口腔内の舌の沈下や扁桃(へんとう)の肥大によって通り道が狭くなっている場合に起こるいびきは「喉いびき」と呼ばれています。

妊娠中はいびきの症状が出やすくなる?

「単純性いびき」と「症候性いびき」とは?

妊娠中の女性は、出産・育児に備えて劇的に体型が変化します。
胎児への栄養供給や出産後の授乳などに備えて母体は栄養を蓄えようとするため、一般的には皮下脂肪が沈着して体重が劇的に増加します。このとき、頸部(くび)周囲にも脂肪が蓄積すると、その脂肪が首の周囲を圧迫していびきをかきやすくなることがあります。

 

 

自分のいびきの原因を探ってみよう

自分のいびきの原因を探ってみよう

いかがでしたか?ひとことでいびきと言っても、実にさまざまな原因や種類があるのです。いびきを気にしているという人は、まず自分がどのタイプに当てはまるのか考えてみても良いかもしれませんね。

 

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井上 肇

この記事の監修

聖マリアンナ医科大学 特任教授

日本臨床薬理学会 認定薬剤師/日本臨床薬理学会 指導薬剤師

井上 肇(いのうえ はじめ)

星薬科大学薬学部卒、同大学院薬学研究科修了。聖マリアンナ医科大学・形成外科学教室内幹細胞再生医学(アンファー寄附)講座 特任教授及び講座代表。幹細胞を用いた再生医療研究、毛髪再生研究、食育からの生活習慣病の予防医学的研究、アンチエイジング研究を展開している。

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