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生活習慣が大きく影響する、血管性認知症の恐怖!

社会の高齢化が進むにつれて増加している認知症。
認知症は早期発見によって進行を阻止することができるため、将来自分自身や自分の家族が認知症を発症したときのためにも知識を蓄えておきましょう。
実はひとことで認知症といっても複数の種類が存在します。
今回は血管性認知症について解説します。

 

 

認知症は「病気」ではなく「症状」

まず血管性認知症の話をする前に、認知症全般について知りましょう。

そもそも認知症は「病気」ではなく、病気によって現れる「症状」の総称です。

認知症はさまざまな原因で脳の細胞が機能しなくなることによって障害が起こり、社会生活に支障が出ている状態のことです。
具体的には認識力、記憶力、判断力などの低下が見られます。

老化による物忘れと認知症は違う?

記憶力が低下したからといって、必ずしも認知症が発症しているとは限りません。認知症ではなく、老化による物忘れである可能性もあるのです。

老化による物忘れは脳の生理的な老化が原因で起こり、判断力の低下や性格の変化など、物忘れ以外の症状は伴いません。大きく症状が進行することはなく、自分自身でも忘れっぽいことを自覚できるため、日常生活に大きな支障をきたしません。

一方、認知症は記憶力の低下だけでなく判断力の低下なども伴い、自分で自覚がない上に、徐々に進行してしまうため日常生活に支障が出てしまいます。

老化による物忘れと認知症の見分け方

老化による物忘れと認知症の見分け方

老化による物忘れは体験したことの「一部」を忘れるという特徴があります。しかし認知症は体験したことの「すべて」を忘れてしまいます。
例えば、今朝朝ご飯を食べたことは覚えているが、何を食べたか思い出せないのは老化による物忘れです。
しかし今朝ご飯を食べたことすら思い出せないのが認知症なのです。

症状や傾向が異なる三大認知症

認知症は大きく3つの種類に分類され、それらは三大認知症と呼ばれています。

①アルツハイマー型認知症
脳の記憶に関係している脳の器官である海馬に、βアミロイドが沈着して萎縮してしまうことで発生します。
認知症患者の中で最も多く、物忘れが特にひどく、自分の家族の名前や顔まで忘れてしまうことがあります。

②レビー小体型認知症
レビー小体と呼ばれる神経細胞にできる特殊なたんぱく質によって、神経細胞が死滅してしまうことで発生します。
記憶力の低下に加え、幻視、うつ状態、パーキンソン症状、睡眠時異常行動や徘徊などの症状も発生します。

③血管性認知症
脳梗塞や脳出血などが原因で脳の血液循環が悪くなり、脳の一部が壊死してしまうことで発生します。
壊死した場所によって症状が異なります。

血管性認知症の具体的な症状は?

脳梗塞や脳出血によって細胞が壊れたことで、まだら認知症と呼ばれる症状が出ることがあります。
例えば物忘れをしたり計算ができなくなったりしても、これまで培ってきた専門知識などは残っている状態です。これは脳梗塞や脳出血によって細胞が壊死した部分と、正常に働いている部分がまだらになっているため起こります。

感情のコントロールが上手くできず、機嫌が良さそうなときに声をかけても、急に怒り出したり泣いたりするようなことがあります。
また、意欲が低下したり、抑うつ状態が見られたりすることもあります。

その他にも、他の認知症と同様に、運動麻痺、感覚麻痺、言語障害、歩行障害などの症状もあげられます。

血管性認知症の診断基準や治療法

血管性認知症について医師に相談する場合は、精神科、神経科、内科などを受診することになります。
血管性認知症とアルツハイマー型認知症が合併しているケースもあり、その場合は診断が難しくなりますので、基幹病院での脳MRI検査や脳血流シンチ検査、睡眠時ポリグラフィを用いた検査などを勧められる可能性もあるでしょう。

血管性認知症は、アルツハイマー型認知症やレビー小体型認知症認知症治療に使用される抗認知症薬の効果が期待できません。
脳血管障害が再発すると血管性認知症が悪化する可能性が高いため、再発の予防と認知症の症状への対症療法がメインとなります。

脳血管障害の再発を予防するライフスタイルを

脳血管障害の再発を予防するライフスタイルを

血管性認知症の大きな原因となる脳梗塞や脳出血を引き起こすのは動脈硬化です。
動脈硬化の危険因子となり得るのは、高血圧、脂質異常症、糖尿病、喫煙、運動不足、睡眠不足、メタボリックなどです。

喫煙者は禁煙する、日々良質な睡眠をしっかりとる、適度な運動をする、そして高血圧や脂質異常症、さらには糖尿病予防のためにバランスの良い食生活を心がけることなどが大切です。
過度な飲酒も脳にダメージを与えるので避けましょう。特に男性の方は動脈硬化性疾患になりやすいといわれているので要注意です。

早期に発見すれば進行を防げる

脳梗塞や脳出血が発生すれば、若い年代の人でも血管性認知症が起こる可能性はありますので、まずはライフスタイルを見直して脳梗塞や脳出血を予防しましょう。
そして認知症は自覚できないため、家族やパートナーが気づいてあげることが大切です。
早期に発見して治療すれば進行を防げる可能性がありますので、自分の家族に高齢者がいる場合は注意してみてあげましょう。

知久 正明

この記事の監修

知久 正明(ちく・まさあき)

メディカルチェックスタジオ東京銀座クリニック 院長・医学博士
病気になる前に治すという『未病』を理念に掲げていきます。循環器内科分野では心臓病だけでなく血管病まで診られる最新の医療機器を備えたバスキュラーラボで、『病気より患者さんを診る』を基本として診療しています。

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